お子さんの肌が鳥肌のようにブツブツしていて、触るとザラザラしていることってありませんか?鮫肌のようにぶつぶつしていたりすることもありませんか?

これらの症状にはかゆみを伴うこともあり、お子さんがつい掻きむしって悪化させてしまうことも!

今回は、こんな症状の原因や、対処法をご紹介します。

そのブツブツ、ザラザラは、もしかしたら乾燥肌ではない可能性もあるので、これからご紹介することに当てはまるようでしたら、一度皮膚科に相談することをオススメします。

そのブツブツやザラザラ!もしかしたら乾燥肌じゃないかも!!

鳥肌のようなブツブツなどの症状は、赤ちゃんから小児期と呼ばれる時期に多くみられる症状です。これは皮脂の少ない時期で、皮膚の乾燥によるものが原因であることが多いのですが、実は、皮膚病の可能性もあるのです。
その皮膚病とは 毛孔性苔癬(毛孔性苔癬) です。

次のような症状の場合は、単なる乾燥肌ではない可能性があるので、皮膚科に相談することをオススメしたいですね。

  • 毛穴ひとつひとつが赤くなり、ブツブツしている。
  • 触った感触は、ザラザラしている。
  • 痒がる。
  • 家族に〈毛孔性苔癬〉経験者がいる。

お子さんの症状はどうですか?

上記のような症状はありませんか?この、〈毛孔性苔癬〉は皮膚病の一種で、乾燥肌の原因にもなるものです。

「乾燥肌だから〈毛孔性苔癬〉になってしまった」と思われがちですが、実は逆の発想なんです。

皮膚病が原因で乾燥肌になった」が正解なんです。

〈毛孔性苔癬〉は遺伝性である可能性もありますので、ご家族に「昔はそうだった」という方がいらっしゃる場合には、お子さんもなってしまう可能性はあります。もちろん遺伝ではなく、突然なってしまうこともあるものなのでご家族に経験者がいなくても、気になるようでしたら受診して相談してみてください。

子供のように、皮膚がまだ薄い時期には、ちょっとした刺激で肌トラブルが起きるものです。この〈毛孔性苔癬〉も乾燥肌同様に、子供の頃にはなりやすい病気のひとつなんです。

ただ、心配しないでいただきたいのは、こちらの病気も乾燥肌と同じように成長とともに症状が落ち着くことが多いので、「うちの子、皮膚病なの?どうしよう…」など過敏にならないでくださいね。

保湿剤とステロイド剤で症状は改善されることが多いので、安心してください。ただし、乾燥肌のひどい時に使うステロイド剤より、少し強めを使用することが多いので、用法・用量には十分注意し、正しく使ってくださいね。

鮫肌の原因もいろいろ考えられます

次に、鮫肌についてです。鮫肌も乾燥肌に症状は似ていますが、ザラザラした皮膚はウロコのように剥がれてきます。見た目も感触もザラザラしていて、保湿してもその感触は滑らかになりにくいのが特徴です。

この鮫肌になる原因も、乾燥肌の悪化だけではなく先ほどの〈毛孔性苔癬〉や〈尋常性湿疹(じんじょうせいしっしん)〉、〈アトピー性皮膚炎〉などの場合もあります。

どれも、痒みを伴うことが多いのでお子さんにとっても辛いと思います。

痒みは、内服薬や外用薬などで和らぐこともありますが、肌の症状は、その原因に合った外用薬を使わないとなかなか症状の改善は臨めません。お子さんの肌は何が原因でブツブツしていたり、ザラザラしていたりするのかをつき止め、症状に合うものを使っていただけたらと思います。

それぞれの治療法の一例をご紹介します

皮膚科を受診すれば、症状別に治療法がちがうのですが、受診前に「どんな治療をするの?」と不安なあなたに治療方法の一例をご紹介します。

乾燥肌の場合

保湿剤である程度の症状は緩和することが多いので、保湿剤と、ひどい箇所用にステロイド剤が処方されることが多い。

かゆみを伴う乾燥肌の場合には、かゆみ止めの内服薬が処方されることもある。

毛孔性苔癬の場合

外用薬、内服薬で治療することが多い。外用薬は分厚くなった角質の除去、角質溶解作用のあるものが処方されることが多い(市販薬なら〈尿素〉や〈サリチル酸〉が配合されているものを)。

内服薬は、抗生物質や抗炎症剤などが一般的。

尋常性湿疹の場合

外用薬(ステロイド剤を使用するのが一般的。即効性ではないので長期使用することが多い)。

内服薬(ビタミンA類似物質や免疫抑制薬が処方されることが多い)。
このふたつを併用するのが一般的。

患者が子供の場合は、これらの治療が一般的です。

大人になっても症状が残っている場合には、ピーリングやレーザー治療などの治療もありますが、出来ることなら子供のうちに症状緩和を目指したいですよね。

単なる乾燥肌だと思っていたら、実は違ったということを経験している人は意外と多いものです。

もちろん、乾燥肌だって、辛いし長期ケアが必要なので大変ですが、もしも原因が乾燥肌ではなく肌トラブルの原因がハッキリした場合には、「毎日頑張って保湿してたのに治らない」と嘆いていたのがウソのように、皮膚の状態は落ち着いていく可能性が高いです。

もしもお子さんの肌が、今回書いた内容に当てはまるようでしたら、是非その肌トラブルの原因を見つけてあげてください。「劇的に治った!」「速攻で肌がスベスベになった!」とはいかないにしても、症状に合ったケアをするだけで確実に症状は緩和していくでしょう。

どの治療も時間はかかります。しかし、お子さんの症状に合った治療なら、その時間も目に見えて改善されるので苦痛より、嬉しさ、楽しみの方が大きくなり、治療する際、気がラクになるでしょう。