美容液や乳液などに比べ、水分含有量が圧倒的に多い化粧水は、顔につけてもそのまま肌の水分になるわけではありません。

化粧水は肌に水分を届けるのではなく、「水溶性の美容成分」を届けるアイテムです。

なぜ化粧水は必要か?

お肌の水分保持力は、角質層の細胞間脂質が80%、NMF(天然保湿因子)が18%で、皮脂は2%程度と言われています。洗顔をすると、多かれ少なかれこれらの物質は流出してしまいます。バリア機能が弱くなっている乾燥肌ではなおさらです。

そのため化粧水や美容液、乳液などを使って、肌の保湿をフォローする必要がでてきます。

化粧水の大部分は水でできています。水をいくらつけても、肌の水分が多くなるわけではありません。大切なのは、化粧水に含まれている美容成分です。中でも水に溶けやすい水溶性の美容成分は、化粧水に配合されることが多いようです。

一方水に溶けにくいセラミドなど細胞間脂質は、化粧水よりも油分の入った美容液や乳液、クリームで補うのが一般的です。

化粧水で補う美容成分

ビタミンC誘導体

シワ・シミ・ニキビ・毛穴のたるみなど、あらゆる肌悩みに対応する美容成分です。クリームなどより水に配合した方が安定性が高まります。

保湿成分

化粧水に含まれる代表的な保湿成分は次の通りです。
アミノ酸などNMF(天然保湿因子)に含まれる成分

  • ヒアルロン酸
  • コラーゲン
  • エラスチン
  • グリセリン
  • プロピレングリコール(PG)
  • ブチレングリコール(BG)

ヒアルロン酸、コラーゲン、エラスチンは、肌の真皮層に存在する保湿成分です。化粧水に配合されていても、真皮層までは届きません。しかし水分を抱え込んでキープする性質があるので、角質層で保湿剤としての役割を果たします。

各種抗酸化成分

植物エキスがよく使われます。代表的な成分は次の通りです。

  • オウゴンエキス
  • リコピン
  • グレープシードエキス

肌の乾燥を防ぐ化粧水の使い方とは?

使用量を守る!

化粧水は大半が蒸発してしまうので、パシャパシャと浴びるようにつけたり、何度も重ねづけしたりするのはあまり意味がありません。使用する量は、説明書やHPに書いてある通りで充分です。

手で押さえこむ

まずは手の平で顔全体になじませます。その後、手で押さえるようにしてなじませます。

肌の乾燥を招く化粧水の使い方とは?

手でパチパチと叩いてつける

手でパチパチ叩いてつけるのは、肌への刺激となって角質層を傷めてしまいます。赤ら顔やシミの原因にもなるのでNGです。

何度も重ねづけをする

化粧水を重ねづけしても角層の2~3層までしか浸透しないので、あまり意味がありません。

手でつける?コットンでつける?

化粧水をつけるとき、手でつけた方がいいのか、それともコットンでつけた方がいいのか、両方の意見があって悩みますよね。それぞれの長所と短所を見てみましょう。

手でつける場合の長所と短所

  • 長所:肌を傷める危険性が低い
  • 短所:場所によってムラになりやすい

コットンでつける場合の長所と短所

  • 長所:ムラになりにくい
  • 短所:肌をこすって傷つけてしまう危険性が高い

どうしてもコットンでつけたい場合は、肌の上を優しくすべらせるようにして使いましょう。絶対に叩いてはいけません。
外部からの刺激に弱い乾燥肌には、コットン使いより手でつける方がおすすめです。