友人とのランチタイムでのこと。その日の自然食カフェのランチメニューにはテンペが使われていました。
「テンペ、前に使ってみたけど美味しくできなくて」と友人。テンペは気になっているけれど自分では使ったことのない私。
話はテンペから大きく大きく広がっていきました。
テンペが大豆を発酵させた物、という知識はあったのですが、詳しいことは分からなかったのでカフェの店主さんにお聞きしました。
テンペとは煮大豆にテンペ菌を着けて発酵させた物でインドネシアの伝統的な食材だそうです。自然食カフェでは肉の代わりに照り焼きや唐揚げなどのメニューで登場します。
煮大豆に菌を着けて発酵、というと納豆が思い浮かぶのですが、テンペも「インドネシアの納豆」と表現されることがあります。
ただしテンペは納豆のようにネバネバせず、板状。納豆のような独特の香りや強い風味もないので、どんな料理にも合わせることができます。また、メーカーによって微妙に味わいも違ってくるそうです。
カフェでは味噌風味の照り焼きにしていましたが、同じ大豆の発酵食品同士、味噌や醤油で味を付けると相性がいいと店主さんがおっしゃっていたのが印象的でした。
発酵食品は体に良い、と言いますが、そもそも発酵とは何なのでしょう。
発酵とは細菌や酵母、カビなどの微生物の働きによって物質が変化することを言います。
腐るのも微生物の働きによる変化ですが、変化した後の物質が人にとって有益ならば「発酵」で有害ならば「腐敗」となります。
人にとって有益、すなわち「発酵食品が体に良い」のは微生物の働きにより元の食品がパワーアップするからです。
発酵によるメリットはいくつかありますが、
- 味わいが良くなること
- 消化吸収しやすくなること
- 栄養価が高くなること
- 腸内環境が良くなること
が挙げられます。
美味しいだけでなく栄養価が高い、腸内環境が良くなると免疫力も上がる、消化吸収しやすいから胃腸に負担がかからない、発酵食品は自然が生み出した素晴らしい加工技術です。
発酵の面白さ
私たちの身の回りにはたくさんの発酵食品があります。発酵食品だと意識しないくらい当たり前のように存在しています。
納豆やぬか漬け、味噌、醤油。チーズやヨーグルト。日本酒やビール、ワインだって発酵食品です。
同じように煮大豆を使っているのにテンペと納豆という違う食品ができるのと同様、どの微生物を使うのか、どの温度で、どのくらいの期間発酵させるのかによって何ができるか変わってきます。
酒蔵見学の際に聞いた話では、杜氏さんは納豆やキムチを食べないということでした。
酒蔵にはその蔵独自の酵母が存在しているので、他の微生物を持ち込まないため。美味しい発酵食品を作るためには、作り手の日常生活も大切です。
テンペや納豆を工場で作るとき、煮大豆にテンペ菌や納豆菌を人工的に付着させますが、最初にできたときには自然界にいた菌が自然に付着したはず。
インドネシアに自然に存在したのがテンペ菌で、日本に存在したのが納豆菌で、風土や気候の差によってそれぞれの伝統食材になったのではないでしょうか。
そんなことを話しながらのランチタイムは「土地それぞれの独特の香りは微生物の違いなのかも!」なんて海外旅行の思い出話へとつながっていったのでした。
ポッコリお腹撲滅大作戦
偶然にも私が最近心がけているのは腸内環境を良くすることで、ポッコリお腹をどうにかしたいと思って始めました。
どちらかというと痩せている私の場合、原因はお腹に付いたお肉ではありません。
例えばお腹いっぱい食べた後は妊婦さんに間違えられそうなほどポッコリしてしまうのですが、翌朝にはちゃんと元のお腹に戻ります。
食べた分だけポッコリするのは当たり前のような気もするのですが、同じ食事をしてもあまり見た目に影響しない人もいて、私は食べた量に関係なくポッコリしてしまいます。
そんなとき、どうやら食べ物の質や腸の働きが影響しているのではないか、という話を知ったのです。ならば腸内環境を整えれば少しは改善されるはず。
腸内環境を良くする発酵食品を積極的に摂ろうと思いました。
がんばれ、善玉菌
日常の食事では味噌汁や納豆など食べています。でもより効率よく腸内環境を整えるため、サプリメントのお世話になることにしました。
CMなどでおなじみの酵素もサンプルを取り寄せましたが、こちらの方が好みの味でした
選んだのは野菜や果物を自然発酵させたペースト。
濃厚なプルーンのような味わいで、そのまま舐めても美味しいのですが、シリアルにかけて朝食にしています。
フルーツソースのようにシリアルにかけていただきます
発酵することによって作られた酵素は、人が体内にもともと持っている善玉菌が本来の健康な働きを維持できるよう環境を整えてくれます。
1ヶ月続けてみるとお腹の圧迫感が違う気がします。特に飲み終えてからの数日間で違いを実感しました。やはり飲んでいるときは調子が良かったので、急ぎ、再注文しました。私の体には合っていたようです。
「塩レモン」は発酵食品?
発酵食品の凄さを実感していた頃、偶然にもお土産で「塩レモン」をいただきました。
本当に万能!塩レモン
「はちみつレモンと塩レモン、どっちがいい?」と聞かれて塩レモンを選んだのですが、実は塩レモンをどう使っていいか分からなかった私。数年前ブームになったときには全く興味を持たなかったのです。
塩レモンはモロッコの伝統的な調味料で、モロッコから海を渡りヨーロッパ全体に広がったそうです。
塩とレモンを漬けるだけと聞き発酵調味料だと思ったのですが、発酵の定義を考えてみると塩レモンの製造には微生物は関与していません。梅を塩で漬ける梅干しと同様、濃い塩分により長期保存可能にした食品ではないかと思っています。
発酵食品かどうか、どんな効果があるかはさておき、友人の「何にでも使える」のアドバイスを信じ、マヨネーズと塩レモンを混ぜて茹で野菜にかけてみました。
マヨネーズだけよりレモンの苦みや酸味がプラスされて美味しい!そのおかげで野菜本来のうまみも増すようです。塩レモン初心者の私も一気にファンになりました。
発酵してもしていなくても、自然の恵みに感謝し美味しくいただくことが大切ですね。