朝晩がひんやりしてくると、いつも通りケアしているのに
乾燥・かゆみ・粉吹きが増えてきませんか?
その主な原因は、湿度の低下や暖房による乾燥、さらに年齢によるバリア機能(皮脂・セラミド)の減少が重なるためです。
つまり「秋から冬に肌トラブルが増えるのはなぜ?」という疑問の答えは、環境と年齢変化が同時に押し寄せるからなのです。
先に結論:
肌を守る鍵は、洗いすぎをやめる・保湿で守る層を作る・室内と入浴の環境を整えるの3つ。
このポイントを見直すだけで、化粧ノリやつっぱり感はぐっと変わります。
本記事では、鍼灸師としての視点も交えながら、
「なぜ不調が起こるのか」をわかりやすく解説し、
「今日からできる具体策」を順番にご紹介していきます。
この記事でわかること
- 秋冬に肌トラブルが増える理由(湿度・寒暖差・紫外線の影響・年齢要因)
- 自分の状態を知るチェックリスト(乾燥・粉吹き・かゆみ・化粧ノリの不調など)
- 「守る保湿」と「やさしい洗顔」、入浴・加湿・睡眠・食事の工夫
- セルフケアで改善しないときの受診目安
肌のゆらぎは誰にでも起こる自然なこと。
大切なのは「どう整えるか」を知っておくことです。
今日から少しずつ、一緒に整えていきましょう。
なぜ秋から冬にかけて肌トラブルが増えるの?
秋から冬は「乾燥の季節」とよく言われますが、実際にはそれだけではありません。
気温・湿度・紫外線の影響、そして年齢による変化が重なり、肌が不安定になりやすいのです。
寒暖差と湿度低下によるダメージ
秋から冬にかけては、昼夜の気温差が大きくなり、空気の湿度もぐっと下がります。
湿度が低い環境(およそ40%を下回る目安)では角層の水分が失われやすく、バリア機能が揺らぎやすくなります。
さらに暖房を使い始めると室内の乾燥が進み、肌から水分が蒸発しやすくなります。
その結果、つっぱり感やかゆみ、粉吹きといった不快な症状が現れやすくなるのです。
東洋医学の視点でも「冷えは血流を滞らせ、自律神経の乱れを招く」とされており、血行の悪さが肌のターンオーバーを遅らせる一因になると考えられます。
40代女性に増える年齢肌の変化
年齢を重ねると、皮脂やセラミドなどの保湿成分が少なくなり、うるおいを抱え込む力が弱まります。
肌が薄く、外部刺激(乾燥・寒さ・摩擦)を受けやすい状態になるのです。
さらに40〜50代は、更年期に差しかかることで女性ホルモン(エストロゲン)が減少し、肌の水分保持力や弾力が低下しやすくなります。
「若いころと同じスキンケアでは物足りない」と感じるのは、この変化が背景にあります。
夏の紫外線ダメージの残り
夏に強い紫外線を浴びた肌は、ダメージを受けてターンオーバーが乱れています。
その結果、角層がうまく育たず、乾燥しやすく・ごわつきやすい状態が続いてしまうのです。
秋口になって「化粧ノリが悪い」「肌がゴワつく」と感じるのは、この紫外線ダメージが表面化しているサインといえます。
秋冬の肌トラブルチェックリスト|あなたはいくつ当てはまる?
「もしかして私の肌も乾燥が進んでいる?」と思ったら、まずはセルフチェックをしてみましょう。
当てはまる数が多いほど、バリア機能の低下や乾燥が進んでいる可能性があります。
- □ 洗顔後、すぐに肌がつっぱる
- □ 朝起きると、頬や口まわりに粉をふいたような白さが出ている
- □ かゆみやピリピリ感が出やすい
- □ ファンデーションがムラになり、化粧ノリが悪い
- □ 目もとや口もとに小じわが目立つ
- □ 顔全体がどんよりくすんで見える
- □ 入浴後や暖房の効いた部屋で肌が赤くなりやすい
3つ以上当てはまる場合は、乾燥やバリア機能の低下が進んでいるサインかもしれません。
「まだ大丈夫」と思わずに、早めのケアを始めることが大切です。
秋冬の肌トラブルを防ぐ具体的なケア方法
原因やチェックポイントがわかったら、次は「どう整えるか」です。
スキンケアの見直しに加え、生活習慣や室内環境を整えることで、肌はぐっと落ち着いてきます。
保湿を徹底|スキンケアの基本を見直す
乾燥が進みやすい秋冬は、まず洗顔と保湿の仕方を見直しましょう。
- クレンジングは摩擦を減らす
バームやミルクタイプを選び、こすらずやさしくオフしましょう。 - 洗顔は短時間&やさしく
朝はぬるま湯だけでも十分。泡で包み込むように洗いましょう。 - 「重ねる」より「守る」ケア
化粧水を何度も重ねるより、セラミド・ヒアルロン酸・グリセリンなどの成分を含む乳液・クリームでフタを。 - ポイント保湿
粉吹きやすい頬や口もとにはバームやワセリンを重ね塗りして対策を。
おすすめ成分はセラミド(NP/AP/EOP)・ヒアルロン酸・グリセリン・ワセリン・シアバター・ナイアシンアミドなど。
アルコールや香料が強めのアイテムは乾燥が強い時期は様子を見ながら取り入れましょう。
生活習慣と暮らしの工夫で内側から支える
肌は「外からのケア」だけでなく、「内側の環境」にも影響を受けます。
- 食事
ビタミンC・E、良質な油(オメガ3)を含む青魚やナッツ類は肌のうるおいを助けます。 - 睡眠
眠り始めの深い睡眠がしっかり取れると肌の回復が進みます。就寝時間を一定にし、十分な睡眠を心がけましょう。 - 水分補給
冷たい水ではなく常温の水や白湯をこまめに。体を内側から温めることも大切です。
東洋医学の考え方では「冷えは血流を滞らせ、自律神経の乱れを招く」とされます。
呼吸を深く整える、手足を温めるなどの習慣も、めぐりを良くして肌の落ち着きを助けます。
また、簡単なツボ押しもおすすめです。
合谷(ごうこく):手の甲、親指と人差し指の間にあるツボ。血流を促し、ストレス緩和にも。
曲池(きょくち):ひじを曲げた時にできるシワの外側。肌荒れやかゆみ対策に用いられます。
※ツボは強く押しすぎず、リラックスできる強さで行いましょう。体調に不安がある場合は無理せず専門家に相談を。
さらに、秋冬でもUVA対策として日焼け止めを続けると、くすみや小じわ予防につながります。
室内環境や入浴の工夫
- 加湿
理想は湿度50〜60%。加湿器がなければ洗濯物の室内干しも有効です。 - 加湿器の手入れ
週1回を目安にタンクを洗浄し、清潔に保ちましょう。 - 入浴
熱すぎるお湯はNG。38〜40℃で15分以内、入浴後は10分以内に保湿を。 - 暖房の工夫
エアコンの風が直接顔に当たらないように調整を。
東洋医学では「秋は潤いを補い、冬は温めて守る季節」とされています。
入浴も“温めすぎず、じんわりと”を意識すると、肌にやさしいケアになります。
専門家に相談すべきサイン
セルフケアを続けても改善しない場合は、皮膚科での相談を検討しましょう。
- かゆみが強く眠れない
- 赤みや湿疹が広がっている
- 市販のスキンケアで改善が見られない
乾燥性湿疹やアトピー性皮膚炎など、早めに治療を受けた方が安心なケースもあります。
まとめ|今日からできる小さな一歩
秋から冬は、湿度や気温の変化に加えて、年齢によるバリア機能の低下が重なる季節です。
そのため、乾燥や粉吹き、かゆみなどの肌トラブルが起こりやすくなります。
ですが、基本のケアを見直し、生活や環境を少し整えるだけで、肌はぐっと落ち着いてきます。
今日からできること
- 洗顔は短時間・低刺激で
- 保湿は「重ねる」より「守る」ケアを意識
- 入浴後10分以内に保湿をする
- 室内は加湿を心がけ、乾燥を防ぐ
- 常温の水分や白湯をこまめにとり、内側からうるおいをサポート
- 冷えを残さないよう体を温め、めぐりを整える
肌だけでなく、体全体を温めてめぐりを整える意識が、秋冬の不調予防につながります。
無理にすべてを完璧にしなくても大丈夫。
できそうなことから少しずつ取り入れて、この季節を心地よく過ごしていきましょう。
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